フランスでは(少なくても我がラボに所属の学生さんは)、二年間ある修士課程のうち、最初の一年半は授業・学生実験がメインで、残りの半年でようやく研究室に所属して研究をスタートさせます。
日本では、大学の学部4年生(早いところでは3年生)から研究室に所属して実験をし、卒業論文を書き、更に修士課程へ進めば2年間がっつり実験&研究というのが一般的なのでシステムが違いますね。
フランスの場合、研究室に配属される前に様々な分野、実験手法を広く、浅く学ぶことが出来ると思いますが、一方、日本ではがっつり研究室に所属するので、修士2年の頃には(配属された研究室で使う研究手法については)結構深い知識をもっていることになると思います。
フランスの学生さんを見ていて感心することは、修士2年の後半で研究室に配属され、半年という短い期間しかないのにしっかりと修士論文をまとめていることです。(勿論周りのサポートも大きいですが。)
(以前、フランスの大学院制度の記事でも書きましたが、)
日本と比べフランスは指導教員に対する生徒の数が少なく先生の目がきちんと行き届くということもあると思いますが、もう一点、学生さん自体のモチベーションも違うと思います。
というのも、日本では入学試験にパスして、授業料さえ払えば博士課程へ進学できますが、フランスで博士課程へ進学するためには、お金(グラント、Scholarship、研究費等)を自分で取ってこなければならないのです。(何年か前に法律でそう決められてしまったのだとか。)
(追記)学生さんが自身でグラントを取ってくるパターンと、研究室のグラントで学生さんが雇ってもらうってパターンもありました!
そのためには修士課程である程度の業績をあげた方が有利だし、博士課程における研究計画も明確でなければなりません。
(日本でいうと「学振DC1, DC2」を取れた人だけが進学できるという感覚に近いのかな?学振の取りやすさとフランスでのグラントの取りやすさをちゃんと比較した訳ではありませんが…)
実際、私と同じプロジェクトで働いていた修士の学生さんも博士課程への進学を希望していたため、配属当初からモチベーションがとても高かったです。
彼は修士課程卒業後、書類審査、面接を経て、無事にグラントを取ることが出来たのですが…結果が出るまではボス含め皆がピリピリしていたし、決まった時の喜びようは本当にすごかった。
(研究室の皆にビールをご馳走していました。一番若いのに…(笑))
後になって知ったことですが、彼の同級生でグラントが取れなかった生徒さんは少なくないようで、未だにどこの研究室にも行けず複数のグラントに挑戦している子、フランスでの研究を諦めて海外の研究室へ行った子もいるとのこと。
そういう意味ではフランスはかなりシビアですよね。
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